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HDMIどこまで伸ばせるか選手権 第一回:HDMIの距離について


こんにちは、SabaLeoNのszkです。
HDMIといえば最近のVJ界隈の映像送出ケーブルの主流といっても過言ではない規格だと思います。
しかし、RCAに比べデジタル制御であり規格は複雑、いろいろと情報も錯綜している部分も多いかと思いますので、今回はHDMIの長さ、つまるところ「伝送距離」にフォーカスを当てて記事とします。

◆そもそもHDMIって?

HDMIは日本のSONYをはじめ7社が合同で作った「AV家電向けのデジタルインターフェース」です。
正式名称を「High-Definition Multimedia Interface」といいます。
よく「HDMI端子」といいますが、実際は家庭用に広く普及しているTypeAや「Mini」と呼ばれるTypeC、「Micro」と呼ばれるTypeDをはじめ、複数の端子が存在し、HDMI自体は規格の名前と認識するのが正解です。
なので、今後は形状はUSB Type-CだけどHDMIみたいなケーブルも出てきます。

◆HDMIで何ができるの?

映像規格と思われがちですが、音声をはじめ制御信号、Ethernet(LANケーブルと同等の機能)も持つことができるなかなかに優秀な規格です。
他にもいろいろありますが、VJ的に必要そうな機能のみピックアップします。

・HDCP

映像を暗号化する技術です。デジタル信号は電子的にコピーすることが可能なので、それを防止するための策として導入されています。
HDCPを用いて出力する映像はHDCPを入力できる機械を用いらないとHDMIの接続時に失敗します。
V-1HDなどを使用するときはHDCP機能のON/OFFに気を付けないと画が出ないという場合があるのはこのためです。
古いプロジェクタやアナログプロジェクタではHDCPに対応していなかったりすると、スプリッターやダウンコンバーターを用いてHDCPを解除することになります
著作権保護観点からするとHDCPを外すことは違法ではないですが、それらが投影された画面をスマホなどで録画すると著作権保護された映像の複製になるので違反となります。
(そもそもクラブの上映権はどうなんだという話になるのでここらへんでやめときます。)

◆HDMIの長所と短所

VJ的な部分のみ、ざっと以下の通りだと思います。

【長所】

・デジタル信号なので理論上、RCAやD4と異なり伝送による「劣化が無い」
・HDMI to HDMIの場合は相性問題が発生しづらい

【短所】

・仕様上、映像をスプリットする場合に解像度等に制限がかかる場合がある
→ただのスプリットでは片方は1080p片方は720pといった構成にできない。
・Versionによって一部機能が制限される場合がある。
→現状少ないですが、Version1.2は5kに対応していないので、5kの映像を送る場合、ミキサーのVersionが古いと映像が出ない。
・距離が短い
→後述します。

◆HDMIの距離について

実は10mまで、10mまでと巷では言われていますが、厳密にHDMI規格で距離限界は定められていません。
ただし、hdmi.orgによれば

Q. How do I run HDMI cables longer than 10 meters?

There are many HDMI Adopters working on HDMI solutions that extend a cable’s effective distance from the typical 10 meter range to much longer lengths. These companies manufacture a variety of solutions that include active cables (active electronics built into cables that boost and extend the cable’s signal), repeaters, amplifiers as well as CAT5/6 and fiber solutions.

とあるように10m以上のHDMIはどう使うの?的な質問を想定質問としたうえで
10m以上のHDMIケーブルは各企業が長距離伝送のソリューションを考えてるよ!ほら、リピーターとかLANケーブルとか使ってさ!」という割と投げやりな返答をしています。
10m以上になると伝送に無理があるのは理解しているみたいです。

つまるところ「何メートルまでいけるか」は「そのケーブルの企業」と「出力機器の企業」と「入力機器の企業」による。と言えます。
長所であるところの相性問題が起きにくいとはなんだったのか・・・

実際に試してみた

ちなみに、6月の時点で自身で検証を行っています。


今回使用したケーブル。モノによっては信号が届かない場合がある為クリティカルな現場ではおすすめできないかも。

とこのように、10mケーブルはなんとなく移りました。
ただし

HDMIケーブルはデジタル信号ではありますが、無遅延というわけではないので気を付けてください。
もちろん、RCA(電気信号)のそれに比べたらはるかにマシですが。

15mは入力機器によります。
VAIOからミキサーでは惨敗を期しましたが、この後ミキサー→TVでは15mケーブルも有用であることを確認しています。

◆結論

やはり10m以上になると万が一の可能性もあり得る。ということになります。
そういう意味では巷で流れている「10mまで」という認識は間違ってはいないということになります。
ただしそれは絶対ではなく、伝送側の機器の電気信号強度やHDMIケーブル自体の伝導率によっても異なります。
また、しっかりとした対策を取るのであれば、「リピーターを使う」「別のデジタル信号にする」といったソリューションで回避が可能です。

個人レベルのクラブやライブでは「こっちのが安心」という意見の元、無理してRCAにして映像劣化させるといった行為が散見されますが、その必要はないと言えます。

アナログ規格に比べると規格が複雑なデジタル規格ですが、正しい知識と認識があれば問題発生時も切り分けができると思います。

→デジタル規格の扱い方については以下に記事を書きました。

[blogcard url=”http://szkhaven.com/2019/03/04/hdmi_clm001/”]

次回は「LANケーブルを使って距離を延ばす」ことをやってみようと思います。

[blogcard url=”https://szkhaven.com/2018/01/13/hdmi_range_lancable/”]


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