こんにちは、szkです。
色々あって配信の権利関係のアレコレを調べてメモ代わりにツイートしたところ、私のツイートの仕方が下手くそだったせいで、多くの人にあらぬ誤解を招いてしまった気がしているので誤解を払拭すべき記事を書きました。
尚、この記事に答えは記載してないし、この記事は答えではありません。
この記事で唯一言いたいことがあるとすれば「触れてはいけないパンドラボックスが世の中には存在するぞ」ということです。
ちなみに、あらぬ引用をされたくないので「何に対しての話か」も敢えて主語を記載せず進めていこうと思います。
普段このブログが取りあげてる記事の内容からみんなわかるはず・・・!えっ、バイク!?
というわけで、この記事ではまず最初に結論から書こうと思います。
結論:まとめ
・どこでやろうともグレーゾーン。
・特定のサイトは権利的にクリア。別サイトははNGという事実は全く存在しない。
・結局のところ「ユーザー次第」の状況なので、「思慮深く」(便利ワード)やりましょう。
前談と今回の経緯
昨日の記事のテストを行おうと、YoutubeLiveで配信を深夜に行ったところ「Twitch以外のサイトは権利的にNGだよ!」と指摘されたので「えっ、マジですかすいません、勉強不足だし規約改めて読むかぁ」と調べたのが発端。
その後、規約の事実確認だけ行ってツイートしたらszkのツイートが下手くそだったせいであろうことか”Twitchでの一部音楽コンテンツ配信は禁止”という風説が若干広がってしまった。本当に申し訳ないことをしました。
もちろん、「無制限に禁止」なんてことはないので、以下に現在のネット配信における音楽コンテンツ云々の話を「やんわりと」記載しておこうと思います。
まず、著作権とは
この話をするときに唯一白黒つけられる話題があります。
それがこの「著作権」の存在自体の話。
これは法律で定められたもので世界的にも適応されている非常に大事な権利だったりします。
詳しくは小学生でも読めるサイトで説明があるので、まだ読んだことない人は一度読んでおくとためになると思います。
この権利が如何に複雑かつ、思慮深い権利であるかがわかるかと。
また、楽曲+大人向きに特化したページであれば音楽の著作権の総本山。JASRACのページが大変ためになります。
私は法律の専門家ではないので若干ガバガバ理解かつ、自身に都合の良い解釈で記事を記載していきますが容赦頂きたい。
もし「これ誤りでは?」と思ったら法律の専門家に確認の上私に教えてください。
ちなみに、裁判なんて代物があることを見ればわかる通り、法解釈なんてケースバイケースだぞ…!
2つの機能を持つ著作権
主に著作権は2つに分けられ、1つが「著作財産権」。そしてもう一つが「著作人格権」です。
さらに「著作権とは別」に「著作隣接権」というものが存在します。これは「曲を作った人」のみでなく「それを伝える人」の権利です。
例を挙げると音楽CDのプレスでは「作曲家」と「演奏者」と「CDプレス業者」の3社の権利が発生します。
例えばこのCDをいずれかで使用したい場合、最大3人に対する許可が必要となります。
以下ガバガバ解説ですが、財産権は上映や、頒布、複製、二次著作物(堅苦しい言い方をした2次創作)等の「主に金銭に関わる権利」を包括しています。
財産権は他人への譲渡や相続、貸与が可能です。
一方で著作人格権は「作品の公表権利」や「氏名公表権利」(HNなどを公表することもできる)、「同一性保持権」があります。
著作人格権は他人への譲渡が認められていません。
JASRACの役割
リアルな話、著作権を守って物事を進めようとすると、音楽に限らず様々な関係者や権利者と個別で契約を結ぶ必要が出てきます。
JASRACは自信が管理している楽曲に限り、個別の契約を不要としJASRACと利用組織間の1契約で利用を可能とするために存在する組織です。
また、JASRAC以外にも管理組織は存在します。
JASRACと包括契約しているからといって「すべての曲が管理対象である」わけではないことを注意しましょう。
若干の余談ですが、1つポイントとして「利用された楽曲の権利者に実際に使用料が払われるのは自己申告制」となります。
作曲者はじめ権利者の為にも、使った曲は報告するのが良いでしょう。
また、もう一つ気を付けてほしいことは、「JASRACは著作財産権のみを管理し、著作人格権は管理できない」という点です。
そのため、「使用するケースが著作財産権外(著作人格権/著作隣接権)に及ぶ場合、権利侵害として見なされる場合がある」ことに注意してください。
隣接権についての問題解決方法「原盤使用契約」
先ほど「隣接権では楽曲著作権利者以外にも権利が発生する」と記載しました。
「楽曲を使用したいときに許可を取る人が隣接権の範囲内に及ぶかどうか」はその使用ケースによります。
詳しくはここ当たりを見てもらうのが良いかと
インターネット配信の場合は隣接権適応範囲内なので、個別に許可が必要になります。
この権利は上記の「包括契約」ではクリアできないので別の整理が必要となります。
これらの課題をクリアしているサイトでは「原盤使用について」といった形で記載がされていることが多いと思います。
尚、隣接権利者の有無は楽曲の配信形態にもよるとかなんとかで、古くDL販売が進まない理由もこれにあったりなかったりしたそうです。
某界隈目線での各サイトの規約について
では、上記を踏まえたうえで各サイトの規約を改めて読んでみましょう。
YoutubeLive
・ライブ配信とハングアウト オンエアでの著作権の問題
・著作権に関するよくある質問
ガバガバ解釈をすると「著作権は守ってね」「違反があったらシステムAIが判断するよ」「本人から申立てがあっても違反とするよ」
「著作権管理団体との包括契約は行っているよ」といった感じ。
”権利範疇であれば行動に制限はない”という解釈ができます。
また、クリエイティブコモンズという一種の「Youtubeが権利を担保する」機能があり、それに登録された曲ならばYoutube内での利用が可能というものもあります。
ツイキャス
包括契約がありますが、無条件で何でもできるというワケではない。基本的にはカバーや演奏してみたがメイン。
ただ、インターネットでの配信を許可された楽曲やインディーズ等権利者本人から直接許可を得ている楽曲に対してはそれ次第ではない。
明言している箇所が多く、かなり優しい規約になっていると思います。
中高生の低年齢層が多い為だと思いますが、かなり頑張って書いてる感じがありますね。
Periscope
システムで自動申立てを行い、判定を受けた場合は違反となる場合があります。
各管理団体との包括契約は2020年4月現在していません。
必要最低限なことのみを書いています。
財産権の包括契約も無いので基本的には「個人で対処してください」という方針に見えます。
Twitch
自身で権利を所有している楽曲は利用可能、また包括契約無いの楽曲については使用可能(「使用可能のケースについては明言無し」)。
一方で禁止条項として「ラジオスタイルの配信」(正し完全に権利がクリアなものを除く)=隣接権に関する条項
口パク=同一性保持に関する条項、音楽の視覚描写\カラオケ=ビデオシネマに関する条項&映像を含む放映権/隣接権に関する条項
DJMix=ただし上記の権利が認めらているものは除く(同一性保持権の条項)、としています。
つまるところTwitchは「包括契約でカバーできる財産権以外の権利の保護を守れないケース」を禁止として明言しています。
逆に、知的財産権や隣接権の許可が得られている場合は。。。とこれ以上は不要でしょうか。
ニコニコ動画
上記の通りで、国内の主要なレーベル及び著作権管理組織との内包契約が記載されています。
上記以外のもの(インディーズ等)に関しての記載はありません。
また、ニコニコ動画にも「ニコニコモンズ」という機能がありますが、こちらは「インターネット全体に使用許可」という設定も可能です。
どのサイトでも共通(グレーな部分)
「管理組織が管理していない楽曲に関しては分からないから個人的に許可取って流してくれ」
余談という名の本編
敢えて上記で触れませんでしたが「著作人格権」の中に「同一性保持」という項目があります。
これは「みだりに元となる制作物が改変されないよう保護する」項目であり、本質的には「オリジナルだと思って聞いたら偽物で、それによりオリジナルの評判や評価が下がる」といった事例から権利者を保護するための項目です。
では、BPMやキーってs
はい、この話題もうやめ!!やめーーー!!
キュアップ・ラパパ!この話題もうやめーーーー!!
・・・・・・
・・・・
・・・と、不毛なのです。
白黒つけようとすると必ずこういった問題が出てきて結果として「じゃぁ、NGだね」ということになりかねない。
ちなみにインターネット配信ではなくリアルの世界に落ちると、度々界隈で問題視される「隣接権の適応範囲」の問題もあったりします。
(気になる方は上述した隣接権の解説リンクを参照し、聞いて…感じて…考えて…してみてください。)
もちろんそれを良しとするかNGとするか、気になる人もいると思いますが、結局のところ著作物に関する権利であり最低限の人の権利を守ることも大事だし、文化を継続していくことも大切。
色々とルールを決めた先人たちですが、「人に対する権利は守るルールを作り」つつ、「文化を制限するルールを作らなかった」というのはなんかこう、そういうことなのではないでしょうか。
もちろん、著作物についてはクリエイターの方ですら日々「利用する立場」にあると思います。
配信に限った話ではなく、音楽に限った話でなく二次創作、ファンコミュニティをはじめ、日々生活する中でも
著作物の権利者の方々をリスペクトし権利を踏みにじることなく、文化を成長させて行けるムーブができたらいいのではないでしょうか。
ただ、ルールはルールです。
時には「良い」も「悪い」もあるかもしれませんし、誰かの行動によって「白黒ついていなかったものがつく」という場合もあります。
不安になったら「他人」ではなく「己」の行動を振り返ってみんなで前に進んでいきましょう。(自戒)
キュアップ・ラパパ!今日もいい日になーれ!(突然のプリキュア落ち)