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【映像/ネットワーク】各種ケーブルの最大許容長まとめ


こんにちは、szkです。

クラブはじめイベント会場でプロジェクタなどの施設を行うときに問題になりがちな「ケーブルの距離」。
「足りないくらいなが長めに用意しておけばいいや!」とすると映像信号の劣化などで映像が届かない、等思わぬハプニングに見舞われる可能性があります。

今回はよく使われるケーブルの最大許容長をまとめてみました。(若干自分用メモ

基本

・ネットワークケーブルは「規格として最大長が決まっている」
・映像系ケーブルは「規格としては長さが決まってない」(信号が届くところまで)
・ネットワークケーブルの場合、スイッチングハブを挟むと距離をリセットできる。(リピーターの代わりになる)
・映像系ケーブルの場合、中継器(スプリッターやスイッチャー)は”電源を必要とする製品に限り”距離をリセットできる。(リピーターの代わりになる)
※電源不要のリピーターを除き、電源不要で動作する分配器などは基本リピーターとして機能しないので注意。

映像系ケーブル

アナログケーブル

アナログケーブルは電気信号によって情報を伝達する。
デジタル信号と異なり「欠損したデータをチェック→補正」が出来ない。
代わりに「欠損したままでも結果として画面が映る」特徴がある。
ただし、欠損している信号なので画面が多重化(ゴースト)したり、正しい色で表示されない場合がある。
これはスーパーファミコンでテレビが正しく映らなかった経験をした人なら体感的にわかるだろう。

尚、映像系のケーブルなので規格として距離の推奨値は決まっていない。
ただしSDI対応の同軸ケーブルなど企業向け製品であれば企業側で伝送距離の目安が記載されている場合がある。
尚、これらのケーブルは所詮アナログケーブルであることから「端子名」で呼ばれることが多いが、実際の信号の品質担保は「ケーブル部分」が担うことになる。
ただし、端子の形状によって最終的な信号強度もある程度決まるため端子に合わせてケーブルも設計される場合がほとんど。
以下では実売されている製品をベースにおおよその許容長を記載していこうとおもう。

・コンポジットケーブル

スーパーファミコンで使われていた黄白赤の端子のアナログケーブル。
RCAケーブル、ビデオケーブルなど呼び方は様々。
余談だが、接続先と元が正しければ白や赤のケーブルでも映像は映る。

推奨長さの目安は2~3m。最大は10m程度。

・VGAケーブル(D-sub 15pin)

PCのアナログディスプレイ用ポートに使われる規格。
VGAケーブルという名称は通称で正しくはD-sub 15pin (analogRGB)という規格。
推奨値は2~3m。
販売製品から限界長は20m程度と思われる。
距離が延びれば伸びるほど伝送可能な解像度が低くなる。

デジタルケーブル

デジタルケーブルは機器側でパリティのチェック(データが正しいかどうかの確認)が可能。
データに欠損がある場合は補正され出力されるため”信号さえ届いていれば完全な状態で画が映る”。
代わりに補正が出来ないレベルの欠損となった場合は一切画が映らなくなるのが特徴。

・DVIケーブル

PCのディスプレイに使われる規格。
映像界隈では旧規格のプロジェクタに対してPCを直接つなぐような状況でなければ使われない。
映像系の端子だが、もとはITのデータ通信用の規格のため最大の長さが規格で定義されている。
最大長は5m。

・HDMIケーブル

近年のPCやコンシューマ向けの映像映像で最もよく使われるケーブル。
映像だけでなく音声も伝送可能。

独特のネゴシエーションルールがあり、使用には多少の知識が必要だが現在最も安価で高解像度の映像が送出できる規格である。

最大は目安として10m程度。

詳しくはこちらの記事に記載。

[blogcard url=”http://szkhaven.com/2018/01/10/hdmi_range_10mpath/”]

ネゴシエーションルールなどについてはこちら

[blogcard url=”http://szkhaven.com/2019/03/04/hdmi_clm001/”]

10m以上のケーブルも売っているが、機器や曲げのレベルで不安定なので実用レベルは↑の製品長程度なのかなと。
最近はかなり安価になり入手性が高いのも〇ですね。

・displayPort

一応DVIの進化系的なポジション。PCのディスプレイなどを接続するための規格でケーブル形状はthunderbolt2を利用する。
thunderbolt2によれば最大長さは4.8m。
尚ケーブル販売企業の努力によって15m程度の製品が販売されている。


↑のは5m。クラブの現場で使うことはほとんど無いかと

アナログ/デジタルハイブリッド

・SDIケーブル(SDI対応同軸ケーブル)

「SDIケーブル」と呼ぶのは誤用で、実際は「SDI規格の映像を伝送可能な同軸ケーブル」が正しい(と思う
端子はBNCプラグを使用する。
上記のようなコンシューマ販売のケーブルとは異なり完全に「仕事用」のケーブル。いわゆるプロ向け。

「同軸ケーブルを利用してデジタル信号を送出する」ための規格であり、ケーブル自体は同軸ケーブルなのでアナログでの伝送も可能。
いわば、HDMIのような最新規格もRCAのような旧規格にも対応できるという、魔法のようなケーブル。
なので、企業レベルでイベントを作るときはリスク軽減、品質信頼性に優れたこれに対応したケーブルを使用する。

2020年時点でSDIの規格はいくつかに細分化されている。
480p(SD)まで対応する SD-SDI
720p(HD)まで対応する HD-SDI
1080iまで対応する 3G-SDI
4kに対応する 12G-SDI

それぞれの規格に対応した径のケーブルを使用することが必要。
例えば「4kの映像を送出したい」となったときは12G-SDI対応の同軸ケーブルが必要となる。
また、「HD-SDIなんだけど150m先に伝送したい」となったときにHD-SDI対応ではなく、12G-SDI対応のケーブルを使用することで伝送距離が延ばすことが可能である。

各企画で各企業が伝送可能な距離(伝送担保指標)を出しているため毎回調べる必要があるが、参考までにソースの規格と同軸ケーブルの規格が見合っていれば50m程度。
上位のケーブルを利用すれば1本の同軸ケーブルで200m~500m程度。
4kなどのデジタル信号の場合、Dual(2本使う規格)などを利用すれば同様に500m程度まで伝送延長が可能だそうだ。

コンシューマで使う場合はスイッチャーならROLANDのV1-3G-SDIが最も安価。
長距離伝送部だけ変換したい場合はBrackmagicのHDMI to SDI変換が良いかと。
ケーブルが少し高めですが、50m未満の延長ならLANケーブルとコストは変わらずです。

ネットワーク系ケーブル

PCのネットワーク構築に使用されるケーブル。

Ethernetケーブル

いわゆる「LANケーブル」と呼ばれるもの。
細かい規格がいくつか存在するが現在主流なのは「1000BASE-T」という規格なのでこれだけ覚えておけばよいだろう。
最大長は規格で定義されており100m。

SDIが使えないローコストな現場ではHDMIをLANに変換するのがローコストプラン。
50m未満ではSDIとトントンですが、100m級になると一気にコストが安くなります。
また、10m~25m程度の場合はドン・キホーテなどで激安ケーブルが手に入るのも強い。
細径でも100mの制限は変わらないのでお店に常設とかできたらよさそうですね。

光ファイバーケーブル

ネットワークを長距離伝送するために使うケーブル。
大きく分けてマルチとシングルの2規格があり、その中でもさらに径の太さで規格が複数存在する。
マルチなら1㎞~2㎞。シングルなら10㎞程度の伝送が可能。

流石にHDMIから光ファイバケーブルに変換するのは無いだろっておもってたら

あった。なお距離は300m程度の模様。

あっ、光ファイバはもろいので踏みつけたりすると簡単に壊れますので注意です。

さいごに

それぞれのケーブルには長所短所があります。
性能面でいうならSDIが最強ですがコストがかかる。制度が求められず個人イベントレベルならLANなどで代用可能。
といったのが現状でしょう。

ニーズに合った機材とケーブル選定で映像の送出を確実なものにしていきましょう。



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