こんにちは、szkです。
例の熱対策の記事が思いのほかいろんな人に見られてしまって、プチブームになってしまったので困惑してる今日この頃です。
まずはその謝罪から。
前回の記事はあくまで、SabaLeoN szkの個人の見解であり、リアニメーションVJチームの見解では無いことを改めてここに記載しておきます。
SabaLeoNで機材面に対して統括する身としては、「1:3列あるうちの1列目が直射日光が当たる環境だったことへの想定不足」「2:Mac機器の仕様への知識不足」また「3:このこと(2)から、事前に気温を知りながらも、それら対する事前対策のアラートをチームメンバーに対して行えなかったこと」が大きな反省点となり、該当の記事についてはそれらを記載した記事となります。
また、他のリアニVJチームメンバーの方々においては、背面のサーキュレータや直射日光の有無という環境の違いはあったものの、同じく高温という環境下において事前/事後の対策を常に行い最終的に、それぞれ映像出力の遂行を行ておりました。
前回の記事、また当日のツイートにおいて、リアニVJチーム全体として準備が足りていなかったと誤解される表現、またそれに対する見解のような誤解を皆さんに与えてしまったこと、それにより一部のリアニメーション関係者の方々にご迷惑をおかけしましたことをここに謝罪いたします。
と、堅苦しい挨拶はここまでにして、今年の夏は異常に暑いです。
特に連日小学校のエアコン問題やオリンピックの際の猛暑などの話題で持ち切りです。
VJするにもしないにしても、この暑さは問題だと思います。。
もしかしたら皆さんも今年これから、外でVJしたり、プロジェクションマッピングでスイカを投影してARスイカ割をしたり、砂漠のステージをよりリアルに体感すべく外でVRしたりするかもしれません。えっ、しない?
しかし、先述の通りこの猛暑。ご家庭のPCでは環境に対する許容限界というものがあります。
(調べたところ、多くの機器が35度以上では動作しないとなっているようです。)
かといってわざわざ、業務用のスポットクーラーなどは手に入らないのが皆の悩みのハズ。
ということで、今回は簡易冷却装置的なサムシングを考えてみました。
あくまでszkが暇を持て余して作った一つの創意工夫の策としてお考え下さい。
もっといい方法が沢山あると思うのでその際は是非私に教えてください!なんでもしますから!
ということで前回の記事のおさらいから
問題点
・(macだろうがWinだろうが)外気温が35度を超えると動作環境外となる
・スポットクーラーや、オペレーション用の車などを用意できればいいが、コストが高く個人では用意できない。
・プロユースならPR800等の専用機を使って可用性を高めるが、それも無い
というのが「みなさんがよく体験する現場」の実情だと思います。
そこで前回の記事におきましては以下のような対策を仮策として考案しました。
問題に対する対策案
1.直射日光を遮る
2.空冷環境を強化する。
また、2に関しては以下のような対策を記載しています。
PCスタンドを使い、下部からの冷却を行う。 さらにその下部のサーキュレーターの下に氷を置くことで冷却された空気を送れます。 外気温よりも低い温度の空気が当たればMacBookのアルミ天板が機能し冷却されるはずです。
外気温はいくら風で流したとしても下がることはありません。
その為、ベルチェ素子などを使って冷却する必要が本来はあります。
なので、今回はこの「冷却」機構について考えたいと思います。
1.仮説
まず、一つ「空気を冷却する必要が本当にあるか」という点から。
前回の考察からすれば「空気を送ってエアフローを解消すれば動作はする」はずです。
実際に7月13日当日、SabaLeoN メンバーの機器は空冷を行うことで「動作はしました」
ただし、大きな処理落ち、OSレベルでの動作不良が散見されました。
ここで気になるのは2列目以降のPCと同じ対策を講じているにも関わらず、SabaLeoNのPCのみが熱さにやられているような状況となっている点です。
その原因はすでに明らかで、「直射日光」が挙げられます。
猛暑に対する街なかでの対応方策について(気温だけでなく、日射や路面からの熱にも注意!)(お知らせ)
記事としては少し古いですが、環境省が掲載しているこちらのページがわかりやすいです。
結論から申しますと、直射日光によりテーブルが熱されるとその表面温度は日陰と比較して20度も高くなります。
そのため、直射日光が当たる環境下においては、上記で上げた対策1の「シェード等でPCに対する直射日光を遮る」のほかに、日陰と比較した際、空気中と20度差があるテーブル表面上の温度に対する対策も必要となります。
すなわち、凄く雑に記載しますが、直射日光が当たる野外環境においては(気温が37度の場合)気温57度を想定した対策を講じる位でいいということとなります。
仮にPCが直接日光を浴びていた場合、その温度は外気温37度の場合はそれ以上(+20度前後)。
浴びていない場合でもPCスタンド等を使わずに直置きの場合も同様の結果となります。
その際に空冷冷却をしても外気温である37度を下回ることはありません。
これらのことから、SabaLeoNのPCについては動作不良が散見されたものとします。
※雑に計算したい方は下記のサイトを使ってみるとなんとなくPCの温度が上昇し続ける理由がわかると思います。
これらの状況を鑑みると、万全を期すためにはただエアフローをよくするだけではなく、その当てる風自体を外気温以下に下げる工夫も必要となります。
(VAIOが動いたことを考えると考えすぎかもですが、この手の対策でやりすぎて悪いことは無いと思います)
冷却については様々な方法が挙げられます。
気化熱を利用する(水を蒸発させその際の熱放出を利用する)、ベルチェ素子を利用する。etc・・・
ですが、今回はあくまで空冷をメインとし、日本古来より伝わる実績のある方法を使いたい。
なんてったって、大事な現場ですからね。
んで参考にしたのがこれです。
扇風機の後ろに凍ったペットボトルおくやつ。
おばあちゃんちで多用されている日本古来から伝わる実績ありの送風する空気の冷却法です。
尚szkの実家では現役です。
ただ、これをブースに持ち込んでやるのもいいですが、いかんせん運搬が面倒です。
今回はこれをモデルに下記のアップデートを行い機能を実装します。
・持ち運びしやすいこと
・繰り返し使える事
・USB給電で動くこと(通常のUSBサーキュレーターと電力差異が無いこと)
と、ここまで書いたものの、ちょっと調べてみたら近いものを作っている人たちが存在しました!
この発泡スチロールのクーラーボックスがイメージにかなり近いですね
さらに、もっとイメージが近いのがこれ
これをもっとPC冷却に特化した形にできればよさそうです。。。!
ということで、次回、「真面目に炎天下でのPC冷却装置を考えてみた【作成編】」でまた会おう(突然のコブラ引き)
参考資料
ヒートシンクの熱抵抗:PC冷却機器の基本的な論文。こういうの意外と少ないんですよね。